クラナドってまさかの渚が死んだ事は夢オチですか?
わたしは夢オチともとれると思います。原作も含めて。もっとも、正確にいえば、「隠された世界」(違う未来)では渚は死んでしまいますが、朋也はそれを夢として経験したということです。
風子が眠っているはずなのに幽霊のように現れる、そんなノリです。本作がAirやkanonの集大成としての性質を持つのであれば、物語全体を通じて夢が大きなポイントになるということは十分にあり得ます。
このことを説明するためには、1、幻想世界の正体 2、幻想世界と夢の関係 3、渚に何がおこったか の3点について述べる必要があります。
1、まずは、渚を救ったあの「木」ですが、あれは町の「神木」ではないでしょうか。神木は常世(とこよ、あの世、夢の世界、神の住む聖域)と現世(うつしよ、現実)の境界だと言われています。汐が夕方頃に突然病院(というか「木」のある場所)に向かう描写がありますが、ちょうどあの時間帯は「逢魔が時」といわれ、境界の結界が弱まるんだそうです。
ということは、幻想世界と呼ばれる世界は常世ではないかと考えることができます。常世の性質としては、時間軸が存在しないか、現実のそれとは関係ない、永遠の世界であることがあります。まさにロボットの「終わってしまった世界」「何も生まれず、何も死なない世界」という表現に当てはまります。
常世が神の住む聖域であることを考えると、その世界に住む少女もしくは意志をもったその世界は、町の氏神様であると考えられます。
2、眠っている間に夢を見るわけですが、夢の中での体感時間と実際に経過している時間は一致していないことがほとんどです。実際夢見ている時間は20分程度らしいですが、体感では何時間とか何日単位になることもあります。これは常世の世界と性質がそっくりです。つまり、常世は、夢を見ることによって渡れる世界ではないかということがいえます。
3、渚があのばしょで命を救われた時に何が起こったのでしょうか。ここで、「なぎさ」という名に注目すると、巫女さん(巫、かんなぎ)または神の依り代となる木で知られる「なぎ」を連想させます。これに今までの解釈を加味して考えると、あの場で「神降ろし」が行われたと考えることができます。つまり、渚が体に氏神様を宿したということです。
そして、渚の出産の日。このまま汐(氏神様)を産み落とせば、確実に渚は死んでしまいます。なおかつ朋也は渚の手をずっと握ったままで、意識を失いそうになっていました。このときに、現に朋也は気絶していて、渚という神の依り代が「神木」としての役割を持ち、それを通じて、朋也は幻想世界に入り込んだ。で、その間に光を集めたりなんなりやっているうちに、光が集まったので、それによって渚が死なない未来を創造し、朋也は目覚めた、ということです。
つまり、誤解を恐れずに言えば、CLANNADの話は全て朋也が渚の出産時に見た夢であった、ということもできます。
この見解はあくまで参考程度に。こういう切り口もありってことで。
ささやかな善行により、無意識に集めた光による大奇跡。
高校の教科書にも名前は出てくる、古代ギリシアのエウリピデスが好んだ手法「エクス・デウス・マキナ」というもので、神様や奇跡による大どんでん返しで、当時からアリストテレスらに「物語には、流れに沿ったもっともらしさがないとあかんて。」と批判されてたようです。
今回、疑問が生じる質問が多いのは物語の流れの中で、伏線の張り方が、今ひとつだったのでしょう。ゲームでは、集めることは、目的としてわかる形になっているようですが。
本当は夢オチではないんですけど、あの構成だとそう見えてしまっても仕方ありませんね…。
というか、最近は自分も、アニメ版は本当に時間を巻き戻したってことで片付けようとしたんじゃないかと思ってしまいます。
原作は全くそんなことはないんですけどね。
ところで、「CLANNAD ~AFTER STORY~」の最終話についての質問は知恵袋でも結構出てます。
特に3月13日あたりに集中してますね。
こういう場合、まずは検索するクセをつけましょう。
“CLANNAD 最終”とかで質問を検索すれば、それっぽいのが出てくるはずです。
もちろん、知恵袋以外のところを見るのもいいでしょう。
ついでに、個人的に役に立つと思われる質問・回答をピックアップしておきます。
あくまでも個人的に選んだものなので、もちろんこれらの他にも役に立つ回答はあります。
ぜひ色々と見てみることをおすすめします。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1124093216
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1024085910
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1224108262
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1324168228
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1124246486
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1424317739
数多くある説のどれが正解とか、そういったことは分かりません。
共通している部分もあれば、細かいところが色々と違っていたりもします。
どれが本当か分からなくなってしまうかもしれませんけど、そもそも正解が分からないので、「こういう解釈のしかたがあるんだな」と何となく分かってもらえればいいと思います。
まあ、細かく言えば違いますが、やってることは「夢オチ」です。
夢オチではありません。分かりやすく言うと「世界の統合」です。
時間を巻き戻した・・・と誤解されやすいのですが、それだとそれまでに起きたこと全てが無かった事になってしまい、矛盾が生じてしまいます。
幻想世界とは「あったかもしれない世界の可能性の置き場所」で、光はその可能性であり、あったかもしれない世界「かくされた世界そのもの」です。ここで間違えてしまってはいけないのは、幻想世界とかくされた世界は別物だという事です。かくされた世界=あったかもしれない「もしも」の世界。幻想世界はその置き場所。
5歳の時に一度死にかけた渚は、幻想世界と接続される事によって命を取り留めます。その時に幻想世界の少女は生まれたのです。つまり彼女は知性体化した「幻想世界そのもの」なのです。
汐と朋也が共に息絶えたその時、彼女は自身(幻想世界)と朋也たちの生きている世界を対消滅させます。残ったのは人々の意識と、世界の可能性=光です。朋也が不幸になってしまった原因は、そもそも渚を失ってしまった事から始まっています。だったらそこからやり直すために・・・・・
「新しい世界を1からつくりあげてしまえばいい」
つまり時間を巻き戻したわけではないのです。知るはずの無い汐の匂いを風子が覚えていたことからも、時間は過去から未来へと、一直線に書かれた線の上を、一本道ですすんでいるのです。
これが最終回で起こったことの全容です。幻想世界はすでに無く、かくされた世界はたくさんの光の形をとって町にあふれ、幻想世界の少女は自身と影響を及ぼし合っていた汐と統合。かくして新しい世界が完成したのです。
お分かりいただけたでしょうか?
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